けいばのブログ

穴馬予想と競馬おもしろコラムです

競馬予想における、騎手という予想ファクターは、かなり重要だと再認識した。

2016年11月6日(日)、つまり今月の第1週目の東京競馬場でのレースは、競馬予想における騎手というファクターについて考えさせられた1日だった。
この日の東京競馬場で開催された12レース中、C・ルメール騎手が8勝を挙げたのである。
ルメール騎手は全10レースに騎乗し8勝。勝率8割である。しかも残りの2レースも2着、4着である。連対率9割。掲示板100%だ。
もちろん、人気馬(強い馬)に乗っていたこともあるが、ここ数年で1日に8割も勝利する騎手を見たのは記憶にない。

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よく競馬関係者の間で言われるのが「馬7:騎手3」である。これはよく耳にしていたし、知っていたつもりでいたのだが、この日ほどそれを実感した日はない。
 
予想にあたり、馬の実力(スピード、適正、スタミナ、気性など)は考えるし、持ちタイムや調教タイムなど、新聞やネットで得られるデータは馬に関するデータが中心。
だから、必然的に馬の力から予想を考えることがごく自然になっていた。
皆も考えて欲しい「馬7:騎手3」の意味を。この言葉が意味するところは、競馬の結果に3割も騎手が影響しているということを。3割もだ。

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いままでは7割の馬の事ばかり考えていた。頭では騎手の実力について考慮していたつもりだが、実のところはせいぜい外人騎手だから追えるだろうとか、減量騎手だから斤量が軽いとか、人気の無いジョッキーだからオッズ的に妙味あるなとか、その程度だった気がする。
 
馬についてのデータは数多く存在し、いくらでも分析可能だが、騎手データについてはJRAーVANをみても距離・場・クラスごとなどの勝率データしかない。
 
もう一度言おう。レース結果の「3割」も占めているファクターについてのデータが少ないのである。
そこで、競馬予想の3割もの影響を持つ、騎手の実力とは何かについて改めて考えてみたい。
 
【騎手の実力を構成する要素】
1、スタート
近代競馬では先行有利と言われている為、ゲートが開いた瞬間に、いかに早くトップスピード乗せられるか重要にになってくる。もちろんゲート内で落ち着かせたり、レースに集中させたりするのも必要。
 
2、折り合い
馬が気持ちよく走るために、レース中に馬とコミュニケーションをとる技術。行きたがるのを上手になだめて足を溜めさせたり、ソラをつかっているのを集中させたりする。
 
3、ペース調整
レース全体の流れを理解し、折り合いをつけながら走るスピードを調整するスキルである。大切なのは騎手の体内時計の正確さだろうか。もちろん、どの騎手もかなり正確にラップを刻んでいるが、レース全体の流れや展開を見ながら瞬時にペースを決める判断力が必要となってくる。
 
4、仕掛けのタイミング
仕掛けのタイミングは非常に重要で、早すぎてもバテテしまうし、遅すぎると足を余してしまう。当日の馬場状態や、位置取りも含め、ベストのタイミングを紡ぎだすのは経験ばかりではなく、天性の才が必要なのだろう。
 
5、コーナーワーク
ロスなく、狙った位置でコーナーをスムーズに回らせる技術である。特に4コーナー付近では、手前を変えたり、スピードを上げながら、いかに騎乗馬に負担をかけずに、他の馬との距離も考えながら(接触などの不利が無いように)直線に飛び出していくかが問われる。また、それと同時に内に進路をとるか外にとるかという判断も迫られる。
川田騎手がコーナーワークの為に、あぶみの長さを左右非対称にしているのは有名な話だ。それほど重要ということ。
 
6、追いこみ
追いこみというと、馬を手でグイグイ押す力であると勘違いされている事が多い。追い込みの力というのは、ハミを上手に使い、馬のスパートを補助すること。鞭をつかい、「今から全力だよ」と馬に知らせ、進路を調整したり、「がんばれー」と伝えることである。なにも、バシバシ叩いたからと言って早く走るわけではない。
また、下半身の使い方も重要で、馬の腹をしっかり下半身でとらえて、両足で押し出す事が重要だと引退した騎手も口をそろえて言っている。
 
7、馬の気性・特徴の把握(勉強・情報収集力)
騎手の最大の役割と言ってもいい、騎乗馬をよく知ること。どこで手前を変えるのか、ムチの入れ方は右か左か、ヨレる癖はあるのかなど、知っておかなければならない事は沢山あるはず。力が入るレースには調教助手ではなく、ジョッキーが調教で騎乗にまたがる事が多いのはこのためだろう。
 
ざっと思いつくままに並べてみただけでもこれだけのファクターがある。これらについて、私たち競馬ファンは詳細に知るためには限界があるが、できることと言えば、レースリプレイを何度も何度も繰り返し見て研究するほかないのだろう。
今後は、騎手のスキルについても意識してレースを見て、自分なりのノウハウを積み重ねよう。
 
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